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新しい出会いがあるイベント

飛ぶ教室

第1回 原武史『平成の終焉――退位と天皇・皇后』

高橋源一郎×原武史
2019.05.12 SUN
11:00 - 15:00

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このイベントは終了しました

3月で明治学院大学を退官された作家の高橋源一郎さんが、旧ゼミ生と一般参加者とともに、著者を招いて毎回1冊の本を読み解く「飛ぶ教室」が神保町ブックセンターを会場にスタートします。第1回は5月12日(日)、対象となる書籍は原武史さんの『平成の終焉 退位と天皇・皇后』(岩波新書)です。

「飛ぶ教室」開設のことば

この三月、わたしは、十四年勤めた大学を定年退官しました。大学には、素晴らしいところも、そんなに素晴らしくないところも、それから、 とても残念なところもありました。あらゆる場所がそうであるように。
では、大学の「素晴らしいところ」とは何でしょうか。他の誰かとともに、自由に、 自分自身とそれから自分以外の何かのために、何かを学ぶことができることです。「他の誰か」が欠けても、「自由に」が欠けても、「自分自身とそれから自分以外の何かのために」が欠けても、ほんとうには学んだことにならないのではないか。わたしは、大学にいる間、そんなことをずっと考えていたのでした。そして、 大学が、その「素晴らしいところ」 を少しずつ失っていくように見えることを、悲しく思ってもいたのでした。では、わたしにできることは何だろう。

やがて、わたしは、いつか大学を去る日が来たら、そのときには、大学ではないどこかに、大学の「素晴らしいところ」を持った場所を作りたいと思うようになりました。そして、その場所を、仮に「飛ぶ教室」と呼んでいたのでした。
ドイツの作家、エーリッヒ・ケストナーは、彼の理想の学校を「飛ぶ教室」と命名しています。それは「漂流する、漂う」 教室であり、また同時に、ほんとうに「空を飛んで、どこかに行ってしまう」教室でもありました。おそらく、それは、教師と学生を乗せて、この世界の果てを目指す教室の意味だったのでしょう。ケストナーがこの理想の学校について書いたのは、ナチスが政権を握り、自分の作品が図書館から撤去された頃のことだったのです。

「飛ぶ教室」は、まず、東京神田から、わたしの(旧)ゼミ生諸君を交えてスタートします。一月か二月に一度、 この時代を理解するために必要だとわたしが考えている一冊の本を 選び、参加する全員で読み解きます。そこには、著者本人にも来ていただく予定です。
では、ボン・ヴォヤージュ! 良き旅を!

2019年4月10日
高橋源一郎

第1回(レッスン1)

新元号が「令和」と決まり、「新しい時代」 の到来が喧伝されています。しかし、平成はほんとうに終わったのでしょうか。平成とはどんな時代だったのでしょう。あるいは、その前の時代 昭和のことを、わたしたちはきちんと理解しているでしょうか。未来について知りたい者は、過去を知る必要があります。
第1回の「飛ぶ教室」は、『平成の終焉--退位と天皇・皇后』(岩波新書)を出されたばかりの原武史さんをお招きして、天皇・ 皇后の行動と言葉から、「天皇制」 のあり方について考えてゆきます。
参加者は、『平成の終焉』を読んでおいてください。また、それ以外の原武史さんの著作、たとえば、『昭和天皇』(岩波新書)も読んでおかれることをお勧めします。

 

※定員に達したため、受付は終了いたしました。

開催概要

【開催日時】
2019年5月12日(日)11時~15時
10:15 受付開始
10:30 開場
11:00 高橋源一郎さんによる講義
12:30 休憩 ※ご飲食は喫茶コーナー、または店外でお願いいたします。
13:30 原武史さんによる講義&ディスカッション
15:00 終了予定

チケット代金2500円(ドリンク別)

お電話でもお申込みを承ります。(03-6268-9064)
お電話でお申し込みの場合はイベント開催日とイベントタイトルをスタッフまでお申し付けください。
なお当日は、お早めにお越しいただけますとご案内がスムーズになります。

【主催】
神保町ブックセンター

【協力】
岩波書店

【注意事項】
・キャンセルをご希望される方への払い戻しは、5月10日
19時までにご連絡いただいた方のみとさせていただきます。
・不参加による払い戻しはいたしかねます。
・イベントの録音動画撮影はお断りいたします。

高橋源一郎(たかはし・げんいちろう)
1951年生まれ。作家。
横浜国立大学経済学部除籍。2018年3月まで明治学院大学国際学部教授。 今回の「飛ぶ教室」の前身にあたる高橋源一郎ゼミについては、岩波新書『読んじゃいなよ! ――明治学院大学国際学部 高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ』に詳しい。
著書:『さようなら、ギャングたち』(群像新人長篇小説賞優秀作)、『優雅で感傷的な日本野球』(三島由紀夫賞)、『日本文学盛衰史』(伊藤整文学賞)、『さよならクリストファー・ロビン』(谷崎潤一郎賞)。ほかに『一億三千万人のための小説教室』『101年目の孤独』『大人にはわからない日本文学史』『ぼくらの民主主義なんだぜ』『丘の上のバカ ぼくらの民主主義なんだぜ2』など多数。


原武史(はら・たけし)1962年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本経済新聞社に入社。
東京社会部記者として昭和天皇の最晩年を取材。東京大学大学院博士課程中退。東京大学社会科学研究所助手、山梨学院大学助教授、明治学院大学教授を経て、現在、放送大学教授。専攻は日本政治思想史。
著書:『昭和天皇』(司馬遼太郎賞受賞、岩波新書)、『「昭和天皇実録」を読む』(岩波新書)、『大正天皇』(朝日文庫)、『皇后考』(講談社学術文庫)など多数。最新刊『平成の終焉― ―退位と天皇・皇后』(岩波新書)が今回のテキストです。


<対象書籍> 『平成の終焉― ―退位と天皇・皇后』
https://www.iwanami.co.jp/book/b440443.html

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